ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、人種・国籍・宗教・信条・障がい・年齢・性別・性的指向にとらわれることなく、多様な人々が自分の能力を発揮して働ける企業風土作りに取り組んでいます。

そのために社内でも、LGBTQ+をはじめ様々なマイノリティの方々への理解を深める試みを継続して行い、あらゆる差別や偏見に「NO」を表明しています。それは全社員に伝えられるマネジメントのメッセージから、マネジメントや全社員向けに行う研修での多様性について幅広く学ぶ機会の提供、The Best Place to Workの実現を目指す社内ボトムアップ組織の活動まで一貫しています。このように全社一丸となってダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)推進を考えることは、働きやすさはもちろんのこと、社員の一人ひとりの力を繋ぎ合わせ新しい価値創造をすることに繋がるので大変重要です。一例を挙げれば、人事採用では性別欄のないエントリーシートを取り入れたり、福利厚生等、人事制度の一部を同性パートナーにも適用するなど、LGBTQ+の社員が安心して働ける職場環境づくりも行っています。

この取り組みの出発点は、単に世界の多くの企業がDE&Iの活動を推進しているからではなく、誰もが差別や偏見にさらされることなく自分らしく生きられることは、人々が「遊び」を享受できるようにするための大前提だという考えからです。この考えはSIE社内でも変わりません。安心して働ける環境を作ること、The Best Place to Workの実現は、社員一人ひとりが自分のパフォーマンスを発揮するために欠かせないことです。そのためSIEは、セクシュアリティを問わず、誰もが働きやすい環境を作ることを重要視しています。

TRP参加者が楽しめる「遊び」を提供

このような理念のもと、SIEは2018年より毎年「東京レインボープライド(TRP)」に協賛してきました。TRPとはLGBTQ+をはじめとするセクシュアル・マイノリティの存在をトークイベントやパレードを通じて社会に広め、「”性”と”生”の多様性」を祝福するイベントです。

SIEはこのイベントに協賛するほか、2018年と2019年にはブースも出展。パレードには有志の社員も参加しました。今年も4月22日~24日にかけて開催される「TRP2022」に協賛します。

きっかけは一人の社員の声から

2018年に初出展したきっかけは、LGBTQ+当事者である一人の社員からの提案でした。それまで個人で参加していたその社員から「SIEが一企業として支援できないか?」と提案を受け、社内でもイベントに協力しようというポジティブな動きがあり参加することに。まさにそれは上述のSIEの理念に通じるところだったからです。

実際に参加するにあたり、ブースには各企業・団体等の特色が表れます。そこでエンタテインメント企業として「遊び」を提供しているSIEは、TRPの場でも参加者に楽しむ場を提供したいと考えました。

イベント当日は、「△○✕□」のPlayStation Shapes ロゴ入りステッカーや、パレードに参加する方向けのタトゥーシールを配布し、LGBTQ+のシンボルである虹色と「△○✕□」をあしらった写真を撮影できるブースを出展しました。

↑SIEの社内報で全社員に向けてレポートした「TRP2018」の様子。

参加2年目はパレードをどのように支援するかに注力し、パレード用のグッズの配布をしたことでSNSでも話題になり、SIE以外のゲームクリエイターの方々がパレードの輪に加わるという思わぬ広がりも見られました。

今年の壁紙デザインは「BIPOC(黒人・先住民・有色人種)」を表す新色も

昨年に続き、今年もTRPへの協賛にあわせてLGBTQ+をテーマにしたオリジナルバーチャル背景・PC用壁紙をコーポレートサイトで配信しますが、今年の壁紙をデザインしたグローバルデザインセンターのアイリス・チェンが、デザインに込めた想いをご紹介します。

↑上記リンク先で配布中のオリジナルバーチャル背景。

今年は、トランスジェンダー・コミュニティーとBIPOC(Black=黒人、Indigenous=先住民、People Of Color=有色人種)を表す新色を追加することになり、昨年の物に比較してよりベーシックなデザインにしました。また、私は社員向けにweb会議ツールの背景を多く制作しているのですが、部屋の中の様子を描いたものが人気なこと、そして日本らしさを表現したかったことから、レインボーカラーと和室をかけあわせた壁紙も制作しました。部屋の壁に沿って虹が曲がる演出は、レトロなアートや映画のポスターからヒントを得ています。毎年壁紙をデザインしていますが、それを楽しみながら使ってくれている方がいることに誇りを感じます。壁紙を使ってくださる全ての方が楽しい気分になり、プライド(性的マイノリティの方が自分らしく生きていこうとする心意気)の意味が広まれば嬉しいです。

社内外に広がる反響

TRPへの取り組みの反響は社内にも広がっています。イベントへの協賛を社内ポスターで掲示したことでイベントそのものの認知が高まり、パレードに参加したいという有志の社員も現れました。ちょうど新卒採用時期と重なったことで、SIEにエントリーした就活生の興味関心の話題にも上りました。さらにLGBTQ+当事者が日頃感じていることを率直に話してくれるような空気感も社内で醸成され、LGBTQ+の支援制度の利用者数も増加しています。

TRPを一つのきっかけとして、マイノリティの当事者と向き合い、差別や偏見の目を少しでも減らしたい。そして誰もが「遊び」を思う存分楽しめるような未来をつくりたい。そのために、SIEは今後もTRPのサポートやLGBTQ+の方への支援活動を継続してまいります。

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