『Dreams Universe』でアクセシビリティ性を重視したゲームを

■Media Moleculeプロデューサー Alexandra Perry
Media Moleculeでは、プレイステーション®4用ソフトウェア『Dreams Universe』をより多くの方にプレイしていただき、魅力溢れる本作のコミュニティの一員になっていただくため、アクセシビリティへの配慮を最重要課題のひとつとしてきました。私たちはアクセシビリティの取り組みを通じて、誰もが楽しめるより開かれたゲームを実現することをヴィジョンに据えています。
もう一歩前へ
現代において、ゲームのアクセシビリティに配慮することはとても重要です。『Dreams Universe』を発売する前から、できるだけ多くのユーザーの皆さんに魅力を届けられるような機能を組み込み、アクセシビリティへの取り組みを一歩前進させたいと思っていました。本作は、ユーザーの皆さんが作成したコンテンツを主体としているタイトルなので、制作者たちが持つさまざまなニーズにお応えできるようなゲーム内ツールを作成しました。
コミュニティこそがカギ
『Dreams Universe』内で作るゲームを誰でも遊びやすいものにするためには、コミュニティへの支援がカギとなります。私たちは『Dreams Universe』がよりよいゲームとなるように、ユーザーの皆さんからのフィードバックも真摯に受け止めています。また、クリエイターの皆さんがインスピレーションを得られる場として、「ゲームジャム(ゲームクリエイターが集まり短時間でゲームを制作するイベント)」のような活動も設けています。2週間毎に特定のテーマやトピックを出題し、それに沿ったゲームをプレイヤーの皆さんに作ってもらうように呼びかけることもあります。
最近では、ボタンひとつでプレイできるゲームを作る、「ワンボタンゲームジャム」と題したイベントを開催しました。このイベントの目的のひとつは、アクセシビリティ性に富んだゲーム制作を促進することでした。たとえ身体が思うように動かせなかったとしても、ひとつのボタンであれば押すことができるのではないかと考えました。この催しではアクセシビリティに優れたお手本のような素晴らしい作品が数々生み出され、いずれも『Dreams Universe』のプレイヤー間で人気を博しました。
今回の成功を受けて、同じようなゲームジャムの開催を検討しはじめました。次は少し条件を変えて、音声が制限されたゲーム、あるいはテキストなしのゲームなどを作っていくイベントを考えています。コミュニティの皆さんがこれからどんなことを考えてくださるのか楽しみです。



耳を傾けて学ぶ
最後に、誰もが遊べるようなゲームを作るために最も大事なことは、障がいを持ったゲーマーの皆さんとのつながりを持ち、その声に耳を傾け、ニーズを知ることです。多様なニーズに応えたゲーム作りには、彼ら彼女らとのコミュニケーションがとても大切です。
数あるゲームの中で、『Dreams Universe』はささやかながらも素敵なコミュニティを築いています。このコミュニティのすべてのユーザーの皆さんが想像力を膨らませ、限りない創造力を存分に発揮しながら、新鮮でワクワクするような体験を楽しめるよう願っています。ただ、「創造」という名の大冒険に出発する前に、気に留めていただきたいことがあります。それは、新しい技術やツールを探求し、より大きなコミュニティに目を向け、すべてのプレイヤーの皆さんのことを考えること。そして何より皆さんの声に耳を傾けて、何事からも学ぶ姿勢を持つことです。ゲームの世界は、多くのプレイヤーの皆さんの「色々試して遊んでみたい」という想いが形作った、多様性に富んだひとつのコミュニティです。『Dreams Universe』が、ゲームの間口を広げ、誰もが楽しんでいただけることを心から願っています。

この記事の原文はこちら。