新しい生活様式で『リビッツ! ビッグ・アドベンチャー』をリリース
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■Sumo Digital エグゼクティブプロデューサー Jess Gaskell
昨年の今頃は、全員がオフィスに揃って『リビッツ! ビッグ・アドベンチャー』の開発にラストスパートをかけていました。それがこんなにも遠い昔に感じられるとは! その後ほどなくして、世界も開発のプロセスも一変しました。在宅勤務が「新しい生活様式」となり、当然ながらプロジェクトにも大幅な修正が必要になりました。わずか数日で、賑やかなオフィス環境から自宅に仕事場を移し、子供たち、猫、犬も仲間に加わりながら、チームメンバーとビデオ電話で話しながらゲームを作ることになったのです。まず250人を超えるチームをリモート環境に移行するという困難を乗り越え、次に『リビッツ!ビッグ・アドベンチャー』における最新のアドベンチャー要素の肝となる部分に力を注ぐ必要がありました。1つはタイトル用の音楽制作、もう1つはローカルとオンラインでのマルチプレイ機能でした。
リモートワークでマルチプレイ機能を完成
プロジェクトにとって、友達とのプレイは常に重要なポイントでしたし、これまでオフィスで積み上げてきた勢いは失いたくありませんでした。チームとしての協力体制、一夜にして変わってしまったプロジェクトの情報共有体制も含めてです。テストスペースのソファーに座って協力プレイをテストすることも、並んで座ってチームでの通しプレイを見ながら調整することも出来ず、ちょっと同僚の席に行ったり、マルチプレイのバランス調整に関する意見をさっと聞いて回ったりできない不便さを強く感じました。ゲームコンテンツの制作には実際の所それほど変化はありませんでしたが、コミュニケーション、レビュー、テスト方法についてはすぐに別の方法を取り入れる必要がありました。
常に重視していたのは、『リビッツ! ビッグ・アドベンチャー』を1人でも4人でも同様に楽しめるゲームにすることでした。マルチプレイのバランス調整の多くは細かな作業を要しますが、ゲームを幅広いプレイヤーに楽しんでもらうために手を抜くことはできません。
スタジオであれば、インターネット接続が良い環境や悪い環境をシミュレートして比較し、それに応じてゲームの微調整が可能です。しかし、スタッフが自宅からプレイする場合、インターネットプロバイダーが異なるため、同一の環境を繰り返し設定することは困難です。オンラインプレイにおける問題の発見、修正、チェックはスタジオ内でも大変であるのに、在宅ではその10倍も難しくなります。まったく同じ環境に揃えることができないため、チームでのオンライン開発では個々のネットワーク環境の影響を計算に入れる必要がありました。そこで画面を共有しながらゲームプレイ映像の分析に労力を注ぐとともに、QA(品質保証)のメンバーの力を借りオンライン体験を評価するソリューションを導入しました。
チームの希望は、12月中旬にオンライン機能を発表し、年末年始にはユーザーの皆さんに楽しんでもらうことでした。リリース時点での高い評価を損なわず、休み中に家で友達や家族などとプレイしてもらうことが重要でした。そして、オンラインマルチプレイを楽しんだ方がネットに上げた映像を拝見して私たちも多いに満足しました。人々が実際にゲームを楽しんでいるところを目にすること以上の喜びはありません。
今後の展望
当面、リモートワークが続くことが想定され、チームとしては、今後もどのようにしてこの環境に適応し、互いに協力しあっていけるかを検討していきます。インフラを改善して分散開発を促進し、リモート共同作業に役立つソフトウェアへの投資を継続しますが、今回得られた最大の教訓は、互いに対する小さな思いやりがどれほど大切かいうことでした。今年はバーチャルティーブレイクや、クイズ大会、チームとしての小さなお祝いにもっと時間を割いていきたいと思います。
*オンラインマルチプレイはパッチバージョン1.03の適用で利用可能になります。インターネット接続、PSNアカウント、PlayStation®Plusへの加入が必要です。PS Plusは、キャンセルされるまで継続的に料金が発生する自動更新型の定期サービスです。年齢制限が適用されます。PlayStation®Plusの詳しい条件についてはこちらをご覧ください:https://www.playstation.com/ja-jp/legal/ps-plus-usage-terms/
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