さらなる改善を実現したプレイステーション®5のパッケージ
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■Environment & Technical Compliance担当ディレクター Kieren Mayers
過去50年間で世界のプラスチック使用量が約20倍に増加している中、そのリサイクル率は9%と低い値に留まっています*1。これは、喫緊の課題として注目を集めている世界の海洋汚染の拡大にもつながってきました。この悪循環を脱し、絶滅危機に瀕している海洋生態系を守るためのアクションがいま必要とされています。そのためソニーグループでは2020年、“One Blue Ocean Project”の立ち上げに続き、環境中期目標“Green Management 2025”を策定しました。同計画には、2025年までに新たに設計する小型製品のプラスチック包装材の全廃を実施し、その他製品におけるプラスチック包装材の使用量についても10%削減するというコミットメントが含まれています。この目標の達成に向けたソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)における事例として、昨年発売したプレイステーション®5(PS5™) のパッケージが、過去のプレイステーション®のパッケージと比較してどのように違うのか、お話していきます。
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私たちは過去数年間にわたり、パッケージにおけるプラスチック利用の問題に対応するため、いくつものステップを踏んできました。例えば、ワイヤレスコントローラー(DUALSHOCK®4)などプレイステーション®4の周辺機器の包装では、北米や南米、ヨーロッパなど、現地での梱包作業に際してリサイクル材料の調達が容易にできる市場においては、パッケージのディスプレイウィンドウや吊り下げフックの箇所に約70% リサイクルされたPETプラスチックを使用してきました。そして、ソニーグループの新たな目標に対応すべく、PS5の発売に際してはさらに高みを目指す決断をしたのです。
プレイステーション 5のパッケージ: リサイクル可能な材料を用いつつプラスチックを削減
PS5本体と周辺機器のパッケージでは、できる限りリサイクル可能な材料を使用しました。その結果、PS5とその周辺機器のパッケージにおけるプラスチックの使用率は1∼7%です(重量ベース、製品により異なります)。まだ対応すべき点は残りますが、これの達成にあたり私たちはさまざまな改善策を講じてきました:
- カードインサートやパルプクッショントレイの使用により、発泡ポリスチレンやプラスチック製トレイの使用を回避
- プラスチック製ケーブルバンドを紙製のものに変更
- ケーブルや説明書に使用されているプラスチック製の保護袋を可能な範囲で撤廃
- PS5アクセサリのプラスチック製ディスプレイウィンドウを密閉式のカード箱で代替
- パッケージ箱外側の吊り下げ用に穴をあけた部分を糊付けでなく、折り込むかたちで組み込み
また2021年には、産業廃棄物からリサイクルされたポリプロピレンをゲームソフトウェアのパッケージに採用できないか、欧州で検討を開始します。
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私たちは今後も引き続きパッケージや製品におけるプラスチックの使用を削減するため、イノベーションと技術的な可能性を探ると同時に、デザインエンジニア、マーケティング、オペレーションチーム間で積極的に連携しながら、グローバルに作成・実装している資源効率の高い新しいパッケージ設計のガイドライン(資源使用、リサイクル可能率、プラスチック利用、インクや粘着剤における化学材料、リサイクルされた素材の使用を網羅したもの)のもと、プラスチックの代替を検討していきます。
今後について
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SIEではソニーグループのRoad to Zeroのコミットメントと足並みをそろえ、サステナブルな取り組みを通じた変革の推進に投資してまいります。未来を見据えたこの取り組みについて、引き続き最新情報を共有していきますので、引き続きPlayStationと環境ページそして本ブログにご注目ください。
*1参考: Sony One Blue Ocean Project
原文はこちら
2022年1月25日に一部内容を更新