ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、私たちのミッション、バリュー、カルチャーを反映した活動を支援することで、変化を促進する原動力となり、ゲーム業界をサポートすることを目指しています。そして、クリエイティビティとテクノロジーを駆使しながら、ゲームの枠を超えて変化を促し、社会にインパクトを与えることに努めています。

活動の一環として、青少年育成支援における取り組みをいくつかご紹介します。本記事で触れる取り組み以外にも、2015年以来、「Make-A-Wish」とのパートナーシップを通じて、難病と闘う子どもたちのため、80 件以上の夢の実現の手助けをした活動など、SIEは多くのイニシアチブに携わっています。本日は、青少年育成支援におけるSIEの継続的なコミットメントを代表する3つの主要な取り組みをご紹介します。

英国:キングス・トラストとのパートナーシップを通じて若者に活力を与える

キングス・トラスト(旧プリンス・トラスト)は英国を代表する青少年支援の慈善団体で、1976年に現英国王チャールズ3世(当時はチャールズ皇太子)によって設立されて以来、100万人以上の若者たちの生活向上を支援してきました。同団体は、青少年が個人面、教育面、社会面の困難を乗り越え、生活を安定させるために必要な支援を提供しています。

SIEは15年にわたり本トラストとパートナーシップを結び、2024年には「Million Makers」チャレンジを通じておよそ75,000ポンドにのぼる資金を集め、新たなマイルストーンを達成しました。

「Million Makers」は、英国全土のさまざまな企業の社員で構成されたチームが集まり、青少年支援に向けた資金を集め、トラストの取り組みに対する認知度を向上し、個人またはキャリアにおける貴重な経験を積むことができる、企業向けのチャリティー活動です。

今年は、9名の社員がチームを組み、ソニーグループ各社からのサポートを受けながら、特別なPlayStationグッズを購入できる社内向けポップアップストアの開催など、さまざまなイベントやキャンペーンを6か月のチャレンジ期間内に実施しました。

本チャレンジの最後には、PlayStation Studiosから寄付された非売品の賞品などが当たるPlayStation Plusのプレゼントキャンペーンが、英国全土のプレイヤーを対象に1週間にわたって実施されました。PlayStationのSNSなどを通じて展開されたこの施策は、15,000件以上の応募があり、キャンペーン期間中のPlayStation Plusサブスクリプションの収益の一部は、キングス・トラストに寄付されました。

ソニーチームの記録的な資金調達額とソニーグループ各社を横断した革新的な施策は、「King’s Trust Million Makers National Finals」(本チャレンジの全国大会決勝)にて、イノベーション賞およびユースインパクト賞の2部門にノミネートされました。

キングズ・トラスト企業パートナーシップ担当 Tom Lambさん

「今年のMillion MakersチャレンジにおけるSIEの成果を非常に誇りに思っています。SIEの献身的な取り組みは、次世代の力を引き出すという私たちの使命を支えるだけでなく、Million Makersを通じて企業が力強い役割を果たすことができることを浮き彫りにしました。このチャレンジはSIEの企業文化においてユニークな取り組みですが、SIEチームがこの取り組みの一員であることを非常に感謝しております。今後もSIEチームの成長とリーダーシップの姿を楽しみにしています。」

米国:ゲーム業界の次世代を担う女性たちを応援する「Girls Make Games」とのパートナーシップ 

SIEは、次世代の才能を育成することの重要性を認識し、過去7年間にわたり「Girls Make Games(GMG)」とパートナーシップを結び、活動を支援してきました。

2023年にGMGと行った取り組みを礎に、SIEは、メンターシップや奨学金などの支援を継続してきました。2024年3月には、「GMG奨学金」を支援するため、PlayStation Studiosの6つのスタジオから参加したデベロッパーたちのサイン入りPlayStation 5が当たるユニークな形式のファンドレイジングを、GMG主催の配信イベント中に実施しました。

さらに、GMGのサマーキャンプには、PlayStation Studiosの5つのスタジオから社員がボランティアとして参加し、ゲーム業界でキャリアをスタートさせた経緯や、プログラミング、プロジェクトマネジメント、ゲーム制作などの具体的なスキルについて、貴重な経験談を参加者と共有しました。また、サマーキャンプ期間中に子どもたちが開発したゲームを、業界を代表する審査員たちに披露する国際的なプレゼン大会「Demo Day」も開催しました。本イベントには、Santa Monica Studiosのプロダクトデベロップメント担当ディレクターのMegan Morgan Juinioや、グローバルポートフォリオ&アクイジション担当シニアビジネスマネージャーのAlison Sluiterがボランティアとして参加し、選考プロセスをサポートしました。業界を代表する専門家である2人は、才能あふれるキャンプ参加者たちがサマーキャンプで磨いたクリエイティビティとスキルを活用して生み出した革新的なゲームのプレゼン内容を審査しました。

2025年度「サマーキャンプ奨学金プログラム」は現在申込受付中(英語のみ)です。

SIEは引き続き、スポンサー企業として「GMG奨学金」を支援します。昨年は本奨学金の第2回受賞者が発表されました。2022年秋に設立されたこの奨学金は、18~24歳の若い女性向けに大学の授業料支援やキャリアに応じた経験を提供する活動を行っています。第2回目の受賞者の皆さんには、4年間にわたりそれぞれ1万ドル(1年あたり2,500ドル)の奨学金が提供されます。なお、2025年度「大学奨学金」の応募は現在、こちら(英語のみ)で受け付けています。

SIEは、ゲーム業界における若い女性のキャリア形成を支援することで、格差なくゲーム業界で活躍できる機会を提供することを目指しています。これらのイニシアチブは出発点に過ぎず、誰もが受け入れられ、クリエイティビティが祝福されるような環境を、これからも推進していきます。

Girls Make Gamesファウンダー Laila Shabirさん:

「Girls Make Gamesは、若い女性の学業やキャリアを支援するという使命のもと設立されました。この1年間、SIEの継続的なサポートと、次世代にとってインクルーシブなゲーム業界を推進していくというコミットメントに感謝しています。SIEの才能あふれるデベロッパーの皆さんたちと協力し、学生が彼らから直接学べる機会を与えられたことを、とても嬉しく思います。」

日本:SIEと企業教育研究会による共同授業を通じて、次世代にインスピレーションを与える

SIEは、NPO法人「企業教育研究会」と共同で、日本全国の小学生・中学生・高校生を対象にゲームを題材にした無償の授業を行いました。これらの授業は日本全国の学校で実施しており、生徒のメディアリテラシーを育むと同時に、ゲーム業界についての見識を深めることを目的としています。

企業教育研究会 事務局長 竹内正樹さん:

「学校訪問時には、教師も生徒もこの日を心待ちにしていたと言っていただくことが多々あり、ゲーム制作に関わっているSIEの社員の方が、実際に講師として話すインパクトは生徒にとって非常に大きいと感じました。例えば、“将来ゲームをつくる仕事に就くためには、ゲームばかりをするだけでなく、ゲーム以外の多くのことも経験してほしい”というメッセージについて、大人になってもゲームが大好きなSIE社員本人から伝えられる説得力は大きく、生徒自身がゲームとの関わりを考え直すきっかけになったと考えています。」

2006年以来、SIEと企業教育研究会はおよそ200校で授業を実施してきました。2023年だけでも、SIEの青少年支援プログラムは、特別支援学校1校を含む19校に広がり、合計1,043人の生徒が参加しました。これらの授業では、メディアリテラシーから物理、数学、キャリア教育といった特定のスキルから専門性の高い教科まで、さまざまなテーマを扱っています。

これまで実施した授業の一例:

1. 「ゲーム制作と物理の意外な関係」(物理)

中学生を対象に、物理がどのようにゲームプログラミングに活用されているかを紹介しました。特別に開発されたゴルフゲーム教材を通して、「運動の法則」などの複雑な概念をよりわかりやすく説明することで、生徒たちが物理に興味を持つきっかけを作りました。

2. 「ゲーム会社で働く人たち」(キャリア教育)

ゲームの発売には、さまざまな役割を担った人たちが携わっていることを説明し、SIEにおけるあらゆるポジションやキャリアを紹介することで、キャリア形成やゲーム業界におけるチームワークの重要性など、生徒たちの職業観を広げました。

3. 「ゲームキャラクターと分数」(算数・数学)

分数をより親しみやすくするため、人気のゲームキャラクターを使って分数の計算を学ぶ授業を実施しました。算数の構造や仕組みを説明することで、公式を丸暗記するのではなく、論理的に問題を解く力を養いました。

SIEは、これらの専門性の高い授業に加え、健全なゲーム習慣と責任あるメディアの消費を推進するプログラムを提供することで、メディアリテラシーの向上につながる支援を続けてきました。2023年にSIEが実践した青少年向けプログラムは、メディアが発する情報を的確に判断し、対応できるような次世代を育成していく、という私たちのコミットメントを表しています。

「企業と連携するからこその魅力がこの取り組みにはあり、生徒の学習意欲向上や視野を広げることに寄与したと考えています。生徒アンケートより、身近なゲームに物理や数学などが使われていることへの気づきや、学校の勉強の大切さを知ったという意見、協力することの大切さ、将来を考えるきっかけになった等の記述が見られました」と竹内さんは言います。

SIEは、今後もより多くの学校とパートナーシップを結び、青少年と密接に関わりを持つテーマに沿ったカリキュラムを提供することで、これらの授業のリーチとインパクトをさらに拡大していくことを目指します。次世代の育成を支援するというコミットメントのもと、デジタルリテラシー、クリティカルシンキング、そして責任あるゲームプレイといったスキルを養う機会を提供する方法を、これからも検討していきます。

私たちは、さまざまな取り組みを通して変化を促進し、ゲームの枠を超えて社会に貢献することを目指しています。また、社会にポジティブなインパクトを与えられるよう道を切り開きながら、適切なアクションを取り、意志を行動に移していきます。

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