環境
私たちのアプローチ
私たちはソニーグループの計画「Road to Zero(ロード・トゥ・ゼロ)」の一環として、自社製品と事業活動の環境負荷を減らすための野心的な取り組みを数多く推進してきました。これには、2040年までにカーボンニュートラルを達成する目標も含まれています。
私たちは、環境方針を制定し、継続的改善を推進しています。私たちの活動は、持続可能性への道を切り開き、目的を実行に移し、正しい行ないをすることを軸としています。
製品とサービス
2013年にPlayStation®4を発売して以来、SIEは省エネ技術を活用することで、コンソールの消費電力を大幅に削減してきました。
- システム・オン・チップ(SoC):CPUやGPUといった複数のコンポーネントを一つのチップ上に集積する技術。
- 半導体チップのシュリンク:プロセッサー内のコンポーネントを微細化し、効率化させるための技術。
- パワー・スケーリング:ゲームまたはアプリケーションのパフォーマンスに応じて、コンソールのプロセッサーが効率的に電力消費を増減する。
- エネルギー効率の高い電力供給
- 消費電力を削減するためのレストモード(ゲームやアプリケーションを一時停止した状態でコンソールの電源を落とすことができる)機能を搭載している。
PlayStation®5のSSDの読み込み速度はPS4のHDDの読み込み速度の約100倍です。PS5ではAMD Zen 2およびRDNA 2ベースの効率的なチップセット、電源、省電力設定などの改良により、消費電力を可能な限り減らすとともに、エネルギー効率を最大化しています。その結果、PS5は前世代機では実現できなかった消費電力の削減に初めて成功しました。
詳細、およびお客様がコンソールの消費電力を最小限に抑える方法については「Our Products | PlayStation製品による環境負荷の低減」(英語のみ)をご覧ください。
Playing for the Planet Alliance
PlayStation®は国連の「Playing for the Planet Alliance(P4P)」の創設メンバーです。これは2019年にニューヨークの国連本部で開催された、国連気候行動サミットで発足しました。 このアライアンスは、気候変動、生態系の回復、プラスチックの削減に具体的かつ期限のあるコミットメントを自発的に推進しているゲーム企業のメンバーで構成されています。本取り組みは、GRID-Arendalの支援のもと国連環境計画によって促進されています。
SIEの「Playing for the Planet Alliance」での取り組み:
- ソニーグループの「Road to Zero」が推進する脱炭素化への取り組み。
- PlayStationコンソールのエネルギー効率:省電力再開モード(最大0.5Wを消費)に加え、さらに新しい高効率のUSB充電モード(充電が完了すると、PlayStation®4のおよそ半分の消費電力)、チップアーキテクチャ、7nmチップセットなどのエネルギー効率の高い新たなテクノロジーをPlayStation®5に導入し、本体100万台の売上あたり、毎年想定45,600トンのCO2の排出を抑制します。
- 2013年11月のPS4 コンソールの発売以降、全世界で推定 1,950万トンのCO2総排出量*を削減しており(2022 年 4 月まで)、2030年までに 2,700万トンに達すると推定されています。これは、システム・オン・チップ(SoC)、半導体チップのシュリンク、パワー・スケーリングといった効率化を促す技術の採用に加え、Suspend-to-RAMなどの省電力モード(PS4とPS5の両方で使用)の搭載によるものです。
- 2022年、P4Pは、ゲーム業界とともに100万本の植樹を行なうという目標を掲げました。PlayStationコミュニティの皆さん、そしてパートナー各社と協力し、GuerrillaとSIEは、「アーロイの森プロジェクト」を発足し、目標を達成し生物多様性に対する意識を高める支援をしています。
*このうち約200万トンのCO2削減については、EU待機電力指令「801/2013」によるものと予測されます。
PS5においては、想定総排出量の引き下げに応じて、本体100万台の売上あたり毎年31,200トンのCO2の排出抑制を想定しています。SBTi のメソドロジーに基づき、より正確なデータの取得が可能となったため、カーボンフットプリントの削減目標値を修正しました。
カーボンフットプリントツール
カーボンフットプリントツールをさらに開発し、すべてのP4Pメンバーが使用できるように配布して、自身のライフサイクルでのCO2排出量を概算、管理できるようにします。Playing for the PlanetアライアンスにおけるSIEのコミットメントや活動の詳細については以下をご覧ください。
- UNEP | Playing for the Planet: 年間報告(2021)(英語のみ)
- SIE.Blog | SIEの「Playing for the Planet」2020年影響報告
- SIE.Blog | SIEの「Playing for the Planet」年間報告
- PS.Blog | SIEが国連と力を合わせ、気候変動対策に取り組む
実績
ゲームを通した環境保護活動
- 2022年の『Horizon Forbidden West』の発売に合わせ、私たちは世界中の自然環境の保護と再生、また、環境問題に対する認知度の向上を推進するプログラムへの参加をPlayStation®ユーザーの皆様へ呼びかけました。本作は、地球上の自然と生物多様性の儚さ、そして気候変動への対策がいかに重要であるかを思い出させてくれるものです。これらのプログラムはPlaying for the Planetアライアンスの一環として、国際連合環境計画(UNEP)とUN-REDDが推進するPlay4Forestsによって支援されています。
- 2021年および2022年のP4P Green Games Jamでは、『Dreams Universe』でゲームコンテンツを制作するセッションをPlayStation Studios Media Moleculeが主催し、PlayStationユーザーの皆様を招待しました。
- SIEは2020年のロックダウン中に、気候変動について子どもたちに教育するためのバーチャルリアリティビデオをUNEPと協力してPlayStation®4の『Dreams Universe』で制作し、公開しました。
- また、ニュージーランドのチャリティ団体Sustainable Coastlinesとともに、PS4の『Dreams Universe』で『Pick Up Quick』というビーチクリーニングのゲームを制作し、地元の海岸の海洋ごみの問題に関する認知度の向上にも取り組みました。
SIE Workplaces
オフィスの環境負荷を低減するため、事業所ごとに目標と行動計画を策定しています。
活動例:
- SIEは2000年5月に環境国際規格ISO14001を取得しました。SIEのすべての主要拠点はISO 14001の認証を取得しており、グリーンマネジメント計画に向けた継続的改善に取り組んでいます。
- また、SIEの主なオフィスは100%再生可能なエネルギーを使用しています。
- 在宅勤務による電力使用量の増加に対処するため、SIEは2020 年度に2,600トン、2021年度には2,900トン以上のカーボンオフセットクレジットをゴールドスタンダードプログラムから購入しました。
協業パートナー
SIEは、ソニー グループの一員として環境目標の達成を推進するために、以下のパートナー様を支援し、提携しています。
Playing for the Planet
「Playing for the Planet 」アライアンスは2019年の気候行動サミットで国連環境計画(UNEP)によって設立されました。アライアンスのメンバーは、ゲーム内への「グリーンアクティベーション(環境問題にフォーカスした教育的コンテンツ)」の導入、排出量の削減、また、数百万本の木の植林から自社製品のプラスチックの削減など、さまざまなイニシアチブを通じて地球環境問題への取り組みを支援することを約束しています。
Arbor Day Foundation
1972年に設立された「Arbor Day Foundation」は植林を推進する世界最大の非営利会員組織で、会員と支援者の数は100万人にのぼり、さまざまな企業と提携しています。Arbor Day Foundationの50年間の活動を通して、世界各地の地域、コミュニティ、都市、森林には5億本近くの木々が植えられてきました。私たちのビジョンは、植樹を通して自然環境の再生が推進される社会へと世界を導くことです。 世界最大の自然保護団体の一つとして、Arbor Day Foundationは「木々を植え、育て、分かち合う」というミッションのもと、世界中のステークホルダーやコミュニティと連携し、教育支援活動を行なっています。
世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
World Wide Fund for Nature Japan(WWF):WWFは、地球の自然環境の悪化を食い止め、人類が自然と調和して生きられる未来を築くために、以下の使命を掲げています:
- 生物の多様性を守る
- 再生可能な自然資源の持続可能な利用が確実に行なわれるようにする
- 環境汚染と浪費的な消費の削減を進める
WWF Japanとソニーグループのコーポレート・パートナーシップについての詳細はこちら。
欧州連合(EU)Games Console Voluntary Agreement(ゲーム機自主協定)
欧州連合(EU)内において、SIEは、マイクロソフト、任天堂とともに、「Games Console Voluntary Agreement(ゲーム機自主協定)」(EU指令2009/125/EC)に署名しています。2015年に欧州委員会により正式に承認されたこの自主協定(VA)は、ゲーム機のエネルギー効率と資源効率を向上させるため、以下のような措置を定めています。
- 自動電源オフの時間制限の義務化
- メディアモードとナビゲーションモードでのゲーム機の最大消費電力の上限設定
- ゲーム機メーカーが自社のゲーム機の消費電力を公表することの義務化
- 保証期間外の修理サービスの提供、およびゲーム機のメンテナンスに役立つ情報のユーザーへの提供
- ゲーム機リサイクルの促進
Ultra High Definition(UHD)対応世代のゲーム機(PlayStation®4とPlayStation®4 Proを含む)の寿命期間中、欧州自主協定(VA)により48TWh(ポルトガルの年間発電量に相当)のエネルギーが節約されると推定されています。8K対応ゲーム機(PlayStation®5を含む)では、UHD対応のゲーム機と比較して、技術の向上によってエネルギー効率が高まり、寿命期間中、さらに38TWhのエネルギーが節約されると推定されています。この協定は、継続的な改善のため、2年ごとに見直されます。