■PDSG CreativeプロデューサーJanet Nielsen
■San Diego StudioソーシャルメディアストラテジストCollin Moore

MLBシーズンが新型コロナウイルスの影響で開催延期が決まった今年の3月下旬、私たちは当時発売したばかりの『MLB The Show 20』をどのようにプロモーションしていくか、アイデアを練り始めました。選手たちとファンの皆さんが楽しみながら交流を継続する方法を模索した結果、「MLB The Show Players League」を開催する案がすぐに浮かびましたが、残り数週間でトーナメントを立ち上げ、それを配信する準備が整うのかが大きな課題でした。

リーグ

議論を進める中でトーナメント案は早々に見送ることになりましたが、代わりに、総当たりのリーグ戦を行うという、もっと大きな目標を掲げました。MLBリーグに属する30チームから、各チームの代表選手が『MLB The Show 20』上で対戦するのです。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)、メジャーリーグベースボール(MLB)、メジャーリーグベースボール選手会(MLB Players, Inc.)の三者が協力し、4月10日から5月3日までの1か月にわたる「シーズン」を設けました。シーズンは、選手一人あたり29試合を行うレギュラーシーズンゲームから構成され、合計435試合がTwitch、YouTube、MLBTS、MLBおよびMLBチームのチャンネルで生配信されます。最終的に8人のプレイヤーによるポストシーズントーナメントが行われ、タンパベイ・レイズのBlake Snell選手が優勝に輝きました。

「今回のイベントが大成功を収めたのは参加した選手一人ひとりが持つ様々な側面を見せることができたためで、ファンの皆さんに選手をより身近に感じていただく貴重な機会をご提供できたことが大きいです。「Players League」は、携わった全員が熱意をもって取り組みました。SIE、メジャーリーグベースボール選手会、そして配信パートナーのご協力により、エンタテインメントとしての質を全体的に高められました。関係者の皆さん、そしてファンの皆さんには大変感謝しています。」

MLB ゲーム&VR担当シニアバイスプレジデント Jamie Leece氏

大切なこと

「MLB The Show Players League」は、野球ファンの皆さんとMLB選手の両者にとって、ストレスを発散できる絶好の場となりました。このリーグが開幕した4月上旬は、まだ春季トレーニング専用の仮住居で生活している選手もいたため、孤独を感じているメンバーも少なくありませんでした。 「この「Players League」は、MLBファンと参加した30名の選手にとって貴重な体験となりました。選手たちは互いの交流や対戦を心から楽しむことができ、ファンの皆さんに至っては、選手たちの個人的な側面を知っていただけたことと思います。」

MLB PlayersマネージングディレクターEvan Kaplan氏

成功への道のり

米国各州で発令された外出禁止令によって、「MLB The Show Players League」の運営チームは数々の困難に直面しました。多くの選手は自分のゲーム機やPCが手元になく、ロックダウンによってノートPCやウェブカメラなどの機器も不足しており、商品の発送には平常時の3倍、時間を要したケースもありました。また、全米各地に拠点を置く選手たちと一緒に高品質の配信コンテンツを作るにあたり、技術的な問題も発生しました。

これまでならスタジオであたりまえのように出来たこともままならず、残された限られた時間の中で、エンジニア、プロデューサー、編集者、そして選手の多大な協力により、企画、制作、脚本、演出、編集などをすべてリモートで行いました。運営チームは選手たちと連携をとりながら生配信の準備を整え、事前収録のコンテンツも完成させました。

結果

「MLB The Show Players League」はゴールデンタイム枠に2時間尺の番組で8回生配信され、他の番組でも合計12時間配信された結果、ESPN、ESPN2、MLB Network、FOX Sportsで約3,500万人の方に視聴していただきました。「MLB The Show 20 Players League」は、これまでにない形で選手とファンを結びつけ、新たな層へ『MLB The Show 20』をアピールすることもできました。

「過去このような画期的な企画に関わったことはありませんでした。多くの方が不安を感じることが多い中で、『MLB The Show』のように楽しいゲームを通じて、選手とファンの皆さんの距離を縮めることができて本当に良かったと思います。30人の選手が30試合のフルシーズンをゲーム上でプレイするのは壮観でした。選手たちから、ファンの皆さんや野球というスポーツ、そして『MLB The Show』への愛がとても感じられました。」

Minnesota Twinsリリーフ投手Trevor May氏

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