Climate Stationアプリのさまざまな機能にプレイヤーを案内する看板が立つバーチャルな部屋。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、2019年、ゲーム業界のリーダーたちがサステナビリティを推進する「Playing for the Planet Alliance」を通じて、国連と共同で気候変動に取り組むため、国連気候行動サミットに参加しました。本サミット以降、SIEは、「Playing for the Planet Alliance」の目標達成に貢献するため、さまざまな取り組みを進めてきました。そしてこの度、この活動の一環として、「Climate Station」アプリの提供を開始しました。

SIEによって開発された「Climate Station」は、バーチャルリアリティをはじめとした最先端のゲーム技術を駆使し、複雑な気候データを一般の方々が閲覧し、インタラクティブに学び、理解を深めることを目的としています。PlayStation 5を4Kテレビに接続すれば、鮮明な4Kグラフィックスで「Climate Station」を鑑賞しながら、あらゆる情報を閲覧することができます。さらに、PlayStation VR2でアプリを使用すると、より没入感のある環境で複雑な気候データを閲覧することが可能です。

「Climate Station」は、全世界でPS5およびPS VR2向けに無料で配信中です。本アプリでは、「Weather Year(ウェザーイヤー)」、「Observations(観測データ)」、「Projections(予測シミュレーション)」といった3つの演目を通じて気候変動のストーリーが語られます。

  • 「Weather Year(ウェザーイヤー)」では、2019年の気象現象が視覚的に再現され、相互に作用し合う地球の複雑な気象システムをプレイヤーに紹介します。
  • 「Observations(観測データ)」では、120年にわたる気候データが記録され、数千地点における詳細な気温データを通じて、地球温暖化の進行について学ぶことができます。
  • 「Projections(予測シミュレーション)」では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によって承認された最新の気候モデルから得られたデータを通じて、人類のさまざまな選択が21世紀末までの気候や地球にどのような影響を与えるかについて、理解を深めることができます。
  • また、「Climate Station」には、気候変動について解説する90分のマルチメディアコンテンツにアクセスできる「Explainer Library」が収録されています。

「Climate Station」は、プレイヤーの自宅だけでなく、研究や教育現場での活用に加え、複雑なデータを没入感のある体験に変換するインタラクティブな科学ツールとして利用することも可能です。「Climate Station」で用いられているデータは、アメリカ航空宇宙局(NASA)、アメリカ海洋大気庁(NOAA)、独立研究機関 バークレーアース、気候研究ユニット、世界気候研究計画(WCRP)など、気候科学における最先端のエキスパートたちから提供されています。

また、SIEは、プロジェクトのコンサルタントを務めながらアプリのビデオナレーションも担った、英国のベテラン気象学者 Laura Tobinさんの協力を得ながら、アプリを開発しました。

気象学者 気象予報士 Laura Tobinさん:

「気象学者として気象と気候に関する報道に携わってきましたが、そんな過去20年にわたり世界中で異常気象がますます深刻化、頻発化するのを目の当たりにしてきました。観測記録は次々に更新され、これまでは遠い場所で起きていたようなことが、近年では、より身近な場所でも影響を及ぼしています。今回、“Climate Station”の開発に携われたことを、とても誇りに思っています。プレイヤーの皆さんには、私たちの住む素晴らしい地球について学んでもらいながら、最新の科学的知見を通じて現状に対する理解を深め、最終的には、変化を推進していく必要性の認識向上につながって欲しいと考えています。」

気候変動の現状と向き合うことは、簡単なことはでありません。しかし、「Climate Station」は、プレイヤーの皆さんに、地球の未来と可能性に対して希望を持ってもらうことを目的としています。そして、「Climate Station」はSIEにとって、変化と進歩を促す取り組みの新たな一歩です。私たちは、PS4およびPS5のエネルギー効率を高める取り組みや再生可能エネルギーへの移行を目指すデータセンターのサポートなどを通じて、ソニーグループの環境計画「Road to Zero」が掲げる「2040年までに温室効果ガス排出量ネットゼロ達成」という目標に向けた活動を推進していきます。

国連環境計画(UNEP)生態系部長 Susan Gardnerさん:

「ゲームを通じて何百万人ものプレイヤーが気候に関する意識を高めることは、気候変動、自然・生物多様性の損失、汚染・廃棄物といった3つの大きなリスクに対応するための知識や行動につながると考えています。今回のように、科学をゲームに取り入れる手法はとても印象的でした。この新たなツールに対するプレイヤーの皆さんの反応が楽しみであると同時に、アプリを通して世界中の人々が気候科学について学べる機会を与えてくれたSIEのリーダーシップに感謝しています。」

「Climate Station」の実現に力を貸して下さった方々に、心から感謝いたします。「Climate Station」を通して、プレイヤーの皆さんが、気候変動と科学の接点について学び、自身の身近な場所で起きている気候変動について理解を深めていくことを、とても楽しみにしています。

「Climate Station」の詳細については、公式サイトをご確認ください:https://store.playstation.com/ja-jp/concept/10002901

SIEの環境に対する取り組みについては、こちらのページをご覧ください:
https://sonyinteractive.com/jp/impact/environment/

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