ソニー・インタラクティブエンタテインメントでは、世界中で活躍する社員の能力を最大限に引き出しながら、社員一人ひとりが多様性を大切にし、心地よいと感じられる職場を目指しています。アメリカで「プライド月間」と定められている6月と過去数ヶ月を振り返り、社員を含むLGBTQIA+コミュニティーや、ありのままの自分で誇らしく生きる人々を称えながら、「プライド」(性的マイノリティの方が自分らしく生きていこうとする想い)に関するさまざまな活動をご紹介します。

数ヶ月にわたり、「Pride@PlayStation」や「Represent@PlayStation」をはじめとした社員ネットワーク(eNet)の支援のもと、皆が楽しみながら学び、祝い、より理解を深めることを目的とした数多くのイベントが全社で開催されました。ソーシャルメディアキャンペーン、イベント、ワークショップなど、LGBTQIA+コミュニティーを代表した、あらゆるプライド関連の取り組みを社内外で実現できたことを、改めて誇らしく思っています。

過去の取り組みを振り返りながら、世界中でDE&Iを推進していくとともに、私たちはゲーム業界全体のインスピレーションになりたいと考えています。今年の主な活動は以下の通りです。

PlayStation Studiosの活動

PlayStationコミュニティーの多様性と同様に、ゲーム開発における多様性を認識し、推進することも、私たちはとても重要だと考えています。PlayStation Studiosにおける多様性の表現やダイバーシティは、豊かなPlayStationコミュニティー、なかでもメディア媒体で自身のアイデンティティーが表現される機会が少ないと感じている人々が、心から共感できるような体験への実現に繋がります。

PlayStation Studiosの各チームは、過去1年間にわたり、さまざまな形でプライドを祝福しています。2022年の後半から現在に至るまで、それぞれのスタジオが取り組んできた活動を振り返りました。

Firesprite

イギリスを拠点とするFiresprite は、主にVRタイトルの制作に携わっており、直近では『Horizon Call of the Mountain』を通じて、まるで「Horizon」の世界に入り込んだかのような体験をプレイヤーの皆さんにお届けしました。Firespriteは、LGBTQIA+コミュニティーの人々の活躍を称え、スタジオ全体でインクルージョンや互いを尊重するカルチャーを精力的に推進しています。チームは、リヴァプール市のPRIDE基金への募金支援のほか、インクルーシブな採用活動や、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンへの理解を深めるなど、さまざまなトピックを扱うワークショップを主催しました(以下、英語のみ):

Insomniac Games

Insomniac Gamesは、次回作の制作に打ち込みながら「Insomniac Hosts Pride Month 2023」の一環として、LGBTQIA+の歴史に焦点を当てる機会を設けました。なかでも、「The Queer History of New York」の社内イベントは、歴史的な写真や個人の体験談を通じて、ニューヨークにおけるLGBTQIA+の歴史について語り、考える、貴重な催しとなりました。本イベントを通じて、参加者は、ゲイ移民向けのサルーン(酒場やバー)、用語とレッテル、秘められたメッセージや暗号、血の繋がった家族とChosen Family(血の繋がりに関わらず、互いを家族のように大切にし、支え合う人たちのコミュニティー)の違い、そして1969年6月に起こった「ストーンウォールの反乱」について学びました。

また、Insomniac Gamesは今年の6月、「プライド月間ドラァグクイーンビンゴ大会」をはじめとした社内イベントや、アライ(LGBTQIA+の活動を支持し、支援している人たち)としての正確なジェンダー代名詞の使い方、活動支援の方法、そして誰もが安心して過ごせる環境づくり、などをテーマにしたAMAセッション(気軽に質問できる場)を全社員向けに開催しました。さらにInsomniac Gamesは、Santa Monica Studiosと協力し、ゲーム開発スタジオに焦点を当てた「Pride@PlayStation」の新eNet支部を立ち上げました。

Media Molecule

Media Moleculeは、想像力豊かな体験を生み出すことで知られ、PlayStationコミュニティーの創造性を最大限に引き出す作品づくりを目指しています。

今月、Media MoleculeはPlayStationの作品に関わらず、クィア(性的マイノリティや、既存の性のカテゴリーに当てはまらない人々)を題材にしたゲームをプレイすることでプライドを祝い、2020年にリリースされたクリエイティブプラットフォーム『Dreams Universe 』内で作成されたクィアな作品の数々をスタジオの公式SNSアカウントで紹介しました。また、焼き菓子を販売するチャリティーバザーをスタジオ内で開催し、LGBTQIA+慈善団体「ストーンウォール」へ1,000ポンド寄付しました。

Naughty Dog

「The Last of Us(ザ・ラスト・オブ・アス)」シリーズ10周年を祝ったばかりのNaughty Dogも、プライド月間を祝福しました。Naughty Dogでは、プライド活動に取り組むタスクフォースを結成し、6月中に予定されているイベントを紹介するニュースレターをプライド月間初日から配布しました。

最初の催しとして、毎週金曜日にプライドをテーマにした「プライドテーマ週間」を実施し、Pride Pets、FlagDay(特定の旗を掲揚することで歴史的できごとを祝う日)、ジェンダー・ユーフォリア(性別多幸感)、自宅、レインボーなど様々なテーマの写真をシェアし、ダイバシティーを共感する場を設けました。また、自分にとって大切なLGBTQIA+コミュニティーのメンバーやアライに関する文章や作品の制作をSlack上で呼びかけ、月末にはそれらをまとめた冊子が社内に向けて公開される取り組みも実施。

さらに、プライドを題材にしたゲームのプレイセッションや読書会、映画鑑賞会などを実施し、6月を通してこれらのテーマについて社員同士で話し合う共有会を設けました。プライドタスクフォースは、スタジオの総務チームとも協力し、さまざまな部署をまたいだ「Pride Trivia Night(プライド豆知識大会)」を開催しました。最後に、社員同士がプライドをテーマにした手作りお菓子を持ち寄る「Pride Bake Day」も大好評でした。

Santa Monica Studios

『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』の開発元でもあるSanta Monica Studiosは、Insomniac Gamesと連携し、ゲーム制作スタジオに焦点を当てた「Pride@PlayStation」の新支部を立ち上げました。結成されて間もなく、社員同士がLGBTQIA+に関するトピックについて話し合う「Ask a Queer(クィアに質問)」パネルディスカッションなどを開催しました。新eNet支部は、今後も、年間を通してLGBTQIA+のデベロッパーたちにスポットを当て、彼らの体験や経験を共有する機会やイベントの数々を予定しています。

Bungieの活動

Bungieでは、eNet「Trans@Bungie」と、新たに結成された「Pride@Bungie IDEAs (Inclusion, Diversity, and Equity Associations)」が協力し、社員にとって意味があり、あらゆることを学べる、インクルーシブな取り組みやイベントを実施することで、プライド月間を祝福しました

昨年は、2022年10月11日に34周年を迎えた「国際カミングアウト・デー」を祝して、『Destiny 2』のLGBTQIA+キャラクターたちに焦点を当てた特別な壁紙セットを公開し、さらにゲーム内ではトランスマット効果「虹の果て」を無料で配布しました。また、今年は、全てのプレイヤーが無料で利用可能な感情表現「レインボー・コネクション」を新たに追加しました。

Bungieは、世界中のLGBTQIA+の若者を勇気づけ、活力を与え、繋がりを築くことを使命とするNPO団体「 It Gets Better Project」との関係を継続することで、ゲームの世界以外でもプライド活動を支援しています。「It Gets Better Project」は毎年数百万人もの若者に働きかけています。 Bungieストアで「プライド2.0」ピンバッジを購入することで寄付を可能にするなど、同団体に対する支援の一環として、Bungieはプレイヤーたちが団体の活動に貢献し、寄付できる新たな方法を確立しました。さらに、Bungieは今年、シアトルの公式プライドパレードに参加し、スタジオ全体と『Destiny 2』のプレイヤーたちが一丸となり、プライド月間の意味と大切さを祝福しました。

世界中で開催されたイベント

日本

日本では、2018年より毎年「東京レインボープライド」のパレードに協賛しています。ファンには馴染みの深いPlayStationシェイプス(△○✕☐)を散りばめ、レインボーカラー加工を施した写真を撮影できるブースの設置のほかにも、日本のLGBTQIA+コミュニティーへの支持やアライとしての誇りを掲げた有志の社員が、パレードウォークに参加しました。また、パレードに先立ち、有名ドラァグクイーンのブルボンヌさんを講師にお呼びし、自己肯定感の重要性を知るための社内啓発イベントも行ないました。

イギリス

ロンドンオフィスでは、ロンドン出身のドラァグパフォーマーのMiss Chanel No.5ウェールズ出身のバイセクシュアル・コメディアンのMorgan Rees、そしてクィアコミュニティーを代表するDJのGals Palsを招いたプライドパーティーが社内で開催されました。さらに、ロンドンオフィスは「ロンドン・プライドパレード」のスポンサーとなり、「Pride@PlayStation」の欧州メンバーやアライが参加しました。パレードはPlayStationブランドのフロートに加え、UK出身の5名のドラァグクイーン(Asttina Mandellaさん、Eden Queenさん、Brenda Rantさん、Lucy CaboosiさんとMonroeさん)のパフォーマンスで盛り上がりました。

オーストラリア

オーストラリアチームは、人気TVシリーズ「Australia’s Drag Race Down Under」にも出演したオーストラリア出身のドラァグクイーンたちとパートナーシップを結び、クイーンたちがさまざまなPlayStation 5タイトルをプレイする施策を実施しました。クイーンたちが『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク 』や 『The Last of Us Part I』の高難易度に挑戦し、ほかにも『Mortal Kombat 11』やローカルマルチプレイ対応のゲームをプレイする様子をぜひご覧ください。

また、性別や性的指向に関係なくゲームファンやアライを対象としたシドニーのコミュニティー団体「The Sydney Gaymers Group(TSGG)」を、「DualSense of Pride」というキャンペーンのハンドモデルとして起用しました。オーストラリアチームはこの1年間、TSGGグループと共にさまざまなプロジェクトに携わっています。

アメリカ

6月から7月にかけて、各オフィスの「Pride@PlayStation」メンバーをはじめとした社員は、ソニーグループの地域各社とともに複数のプライドパレードに参加しました。

ロサンゼルス - 2023年6月11日(日)

サンフランシスコ - 2023年6月25日(日)

サンディエゴ - 2023年7月15日(土)


誇りを持った「遊び」

私たちは、LGBTQIA+のクリエイターの声と存在感を高め、ユニークな観点やLGBTQIA+のキャラクターとしてゲームをプレイする機会を提供し、LGBTQIA+コミュニティーにスポットを当てた物語を描くタイトルの制作を推進しています。PlayStation Storeでは、プライド月間以外でも年間を通して、LGBTQIA+を題材とした素晴らしいゲームを数多く展開しています。

さらに、PlayStation Gear store(PlayStationの公式グッズを販売するオンラインストア。欧米の一部地域・国でのみ展開中)では、自身のアイデンティティーに誇りを持ちながらプレイヤーの皆さんがゲームを楽しめるよう、特別なプライドグッズも取り扱っています。

ダイバーシティを日々称え、これからも

「Pride@PlayStation」の活動がさらに拡大し、様々な外部団体とも連携し、社内外で素晴らしいLGBTQIA+や支援者とのパートナーシップを深めながら、さらなる素晴らしい活動を行なっていくことを非常に楽しみに感じています。

私たちは、自身のアイデンティティーを探求する人々を応援しながら、さまざまな情報やリソースを提供し、多様で豊かなゲームコミュニティーとカルチャーを称える、あらゆる方法や可能性を、これからも追求していきます。


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